2013年2月20日水曜日

MISIA "Super Best Records ~15th Celebration~" 「INTO THE LIGHT 15th Ver」作業日記。



MISIA "Super Best Records ~15th Celebration~" 「INTO THE LIGHT 15th Ver」作業日記。

久しぶりに、リズメディアの谷川さんから電話があり、15周年のベスト盤を出すとの事。後日、打ち合わせ。
INTO THE LIGHTを「これから先10年聞ける音にバージョン・アップしたい」との意。

昨今のダンスミュージックの傾向、移り変わりのサイクルを考えると、半年後でさえ正確に「現場の音がどうなっているのか?」の予想は不可。どうしようか思案。
「House Music」と言えば、日本のTop of DJ、「DJ KO KIMURA(木村コウ)氏」にサポートを依頼、快諾。KO KIMURA氏との打ち合わせ後、二手に分かれて作業する事に。
ドラム部分を「ModeWarpの野口氏」を含めた「KO KIMURAチーム」それ以外を自分に手分けを。

制作当時、Roland SBX-80+Yamaha QX-3で打ち込み、Sony 3348+SSLで作業していたので、まずは今のProTools上でテンポをFIX。この作業は、Engの川口昌浩氏に依頼。
Sony 3348からのSMPTE信号をRoland SBX-80でMIDIクロックに変換していた為、案の定テンポが「♩=129.95…」との表示。この先の事も考えて、ProToolsで「♩=130」のセッション作り、その上にオリジナル・データを貼り、タイミングがズレてる部分の修正。
他、トラック・ダウンで使用しなかったトラックのミュート等。
また、当時のSony 3348上での作業が「44.1Khz/16Bit」と言うレゾリューションだった為、(恐らくデジタルで)インポートした時の「44.1Khz」のままだったので「48Khz/24Bit」にコンバート。
作業時にモニターをする為に、軽くバランスを取った後、ステムと2MIXを作成。
これで、ようやく作業が出来る状況に。

師匠の「鷺巣詩郎氏」の書いた「弦・ブラス」が、とてつもなくすばらしく、これを残す事を決定。
他、同時に曲を構成する「印象的なフレーズ」も残す事に。

まずは、骨格部分。
ドラム部分の大半はKO KIMURAチームが作業するので、自分はベース・パートに着手。
オリジナルは「AKAI S3000XLで生の指弾きの音色」で作られていたのだが、この先10年と言うテーマを考えると、シンセ・ベースに変更。
色々なスタイルと音色でトライするが、どうしてもオリジナルのフレーズの印象が強過ぎて、結果、オリジナルのベースラインをシンセ・ベースで完全コピーする事に。
これが意外に難産。ベース音なので、1音でも違うと微妙な違和感が漂ってしまい、ごまかしが効かない事が判明。3時間位掛けて完コピ。
コード(和音)を押さえているパートが、ピアノとエレピ、パッド等だったので、更に透明感を出す為にビブラフォーン音を追加。
他、1パート毎に、21世紀のシンセ音に置き換えた方が良いと思われる音色の置き換え作業。
「音色の立ち上げ→耳コピ→置き換え」の作業の繰り返し。

KO KIMURAチームのデータと、自分のデータを合体。細かな擦り合わせをした後、レンダリング。

MISIA本人のリクエストでパーカッションを「伊達弦氏」でダビングする事に。
同時平行作業で、MISIA本人のメイン・ヴォーカル、コーラス録音。
トラッキングがほぼ終了したので、トラック・ダウンに向けて、細かいタイミング等も含めブラッシュ・アップ。

トラック・ダウンは、Eng 川口昌浩氏(@リズメディア・スタジオ)。
前日に、川口氏には「歌」「弦ブラス」「ローエンド」を優先して欲しいとリクエストしてたので、夕方過ぎに確認に行くと、ほぼ完成。更に細かいオーダーを出す。
MISIA本人、谷川さんも到着し、細かいリクエストに対応。
最終的に、NYのDJ GOMI氏も交え、全員でADAMのモニターで大音量で聞きながら、確認。プリント。完成。
ちなみにKO KIMURA氏は、来日中の「UnderWorld」のメンバーと、寿司勝に寿司を食べに行っていて遅刻(笑)